独身女性の悩みの多くは老後の生活です。旦那さんがいないと遺族年金も発生せず、子どもからの援助もありません。
自分の貯えだけで老後を乗り切っていくには、働いているうちから準備しておくことが大切でしょう。

長く続けられる仕事を選ぶ

独身女性ならば、老後に備えてたくさんのお金を残したいと考えているでしょう。
しかしここで無理な働き方は禁物です。残業手当欲しさに残業時間が半端ない会社に勤めたり、副業のアルバイトで休日を一切取らずに働いたりすれば、いつか体に深刻な影響が出てきます。

独身で困るのは貧乏以上に体を壊したとき。
インフルエンザすらも病院に連れて行ってくれる家族がいなければ命取りになります。
ましてや長期の入院が必要な病気にかかれば、どんなに貯蓄に励んでも一気に生活が維持できなくなります。

大切なのは、独身でも続けていける生活ペースを身に着けること。
ある程度貯蓄できるレベルの収入は欲しいですが、体を第一に考えて、長く働ける仕事を探しましょう。
転職するなら給料のみでなく今後10年、20年と続けていけるのかを自問自答することが大切です。

また、仕事がなくならないように技術を身に着けたり、資格を取得しておくことも大切です。
体を壊したり、両親の介護の必要が出てきても、資格職ならパートでも仕事が見つかりやすく、高めの時給で雇ってもらうことができます。

保険を見直す

お金を貯めるためには収入ばかりでなく、出ていくお金についても考えなくてはいけません。
保険は生涯で払う金額を考えると、かなり高い買い物になります。
独身女性にとってはいざというときの頼みの綱になる保険ですが、セールスレディ―の言うままに加入している人は今一度内容を見直してみましょう。

保険にはいろいろな種類がありますが、独身女性に必須なのは医療保険です。

保険の中には医療保険と抱き合わせで生命保険が設定されているものもあります。
生命保険の金額が高い場合、保険料も当然高くなってきますね。
しかし、子どもがいない独身女性にとって高い生命保険は不要だと思われます。

また医療保険の中にはある年齢になると加入ができなくなってしまう保険や、年齢に応じて保険金額が恐ろしく上がる保険があります。
ずっと同じ保険内容を維持したいなら、年齢が若いうちに終身型の医療保険に加入しておくことです。
若いうちに入れば入るほど月額料金は安くなり、そのまま保険料は一生上がりません。
払込期間も選べるので、60歳までに全額払いこんで後はほったらかしでも医療保障が死ぬまで続きます。
年金だよりの老後に払う保険料はかなりの負担になりますから、見直すなら極力若いうちにしましょう。

タイミングを見計らって終の棲家の準備を

今賃貸住宅やアパートに一人暮らしという独身女性は、老後のことを考えて家を購入する準備をしておくことをお勧めします。

大家さんにとって高齢の独身はあまり家を貸したくない相手です。
万が一の時は孤独死の危険性も高いです。誰かが死んだアパートなんて、誰も借りたがりませんから、次の貸し手にも困ってしまうのです。
さらに独身の場合、遺体の引き取り手さえなかなかみつからないかもしれないのですから。

また賃貸物件を借りる際には家賃が払えないときの保証として賃貸保証人が必要になることがありますが、独身女性には保証人となってくれる家族がいない、家族がいても年金暮らしの老親だと保証人の資格を満たさない…。
ということで独身のまま老後を迎えると住居に困る事態が発生する可能性が高いです。

貸し渋りされる年齢になる前に、自分の家を購入して置けばとりあえず住むところには困りません。
家は高い買い物ですが、別に新築の立派な物件を購入する必要はありません。

近年日本は人口が減少し、住み手のない沢山の空き家が放置されています。この傾向は今後ますます加速するでしょう。
そのような状況ですから信じられないような価格で手に入れることができる中古物件もあるのです。

とくに独身の女性ならば広い家など必要ありません。平屋でも大丈夫です。
もちろん安い中古住宅は築年数がかなり経っているもので、買った後のメンテナンス(外壁修理など)にお金がかかるかもしれません。
家を買えば固定資産税もかかってきます。だから今すぐ家を買うのではなく、家を買う準備だけしておくのです。
そして賃貸が難しくなったころに家を買うと考えてはどうでしょうか。
今後50年住む家を見つけるよりは、30年住む家を見つける方が楽ですよ。

確定拠出年金や低解約返戻金型終身保険を使い、節税+老後資金の準備

お仕事でお金を稼げば稼ぐほど、たくさん取られてしまうのが所得税や住民税。老後のためにと思って収入を増やしたけれど、税金も増えてしまったというのはちょっと悲しいです。
そんなときは老後の備えとともに節税ができる確定拠出年金制度を利用しましょう。

確定拠出年金はだれでも加入できる自己責任型の年金です。
日本国民ならば大人になると強制的に加入させられる国民年金、あるいはお給料から勝手にひかれている厚生年金は自分で納める金額も選べず、運用方法にもタッチできません。
しかし確定拠出年金は毎月の掛け金を自分で選択することができます。
積み立てたお金の運用方法も選ぶことができるので「高い運用益を得たい」「安全に資金を増やしたい」といった要望を実現することが可能です。

確定拠出年金のメリットは高い節税効果。
確定拠出年金として積み立てた金額は全額が所得控除の対象となり、住民税や所得税を安く抑えてくれます。
老後の年金を自分で用意する一方、税金も抑えてくれるのですね。

一方デメリットとしては年金という性格上60歳まで基本引き出せないこと。
また金融商品を運用して利益を得るという仕組みですので、元本割れのリスクが付きまとうということです。

もっと安全にお金を増やしたいという人は低解約返戻金型終身保険に加入してみるという方法があります。
こちらは保険商品で、死亡保険とセットになっています。
毎月お金を積立ていき、満期に積立金+保険会社の運用益分の保険料が支払われるという仕組みです。

超低金利の銀行の定期預金に比べ、運用益は高く設定されているが魅力的です。
積み立てたお金以上の保険金が受け取れる上、死亡保険もついているので万が一独身の身で死亡した場合も葬儀費用を賄うことができます。
確定拠出年金とは違い、払った金額全額とはいきませんが、一部を所得控除に充てることができますので節税対策にもなります。

ただし途中で解約してしまうと、支払った金額よりずっと少ないお金しか戻ってこないので要注意。
満期になるまでは引き出せない種類のお金です。無理のない掛け金で積み立てていきましょう。