
現在の仕事は年齢的にどんどんきつくなる…今のうちにデスクワークに転職したいと思っている人は多いと思います。
デスクワークでも人気の事務職。未経験から転職するにはどんなことに注意しなくてはいけないのでしょうか。
事務職人気の理由
人手不足が叫ばれている日本ですが、それでも女性にとって事務職はかなりの人気。なぜ事務職に人気が殺到するのでしょうか。
事務職の魅力はやはりデスクワーク中心であること。
最近では結婚後も働き続ける女性が増えており、年を取って体力が落ちてきても働き続けることができる事務職は魅力的です。
また事務職は基本的に会社を支えるサポート役。会社の前線に立って指揮を執るわけではありません。
結婚や育児といったライフイベントが多い女性にとって総合職のように責任が重い仕事は腰が引けてしまう。
でも事務職ならば…という意識が働くのかもしれません。残業が少ない、定時に帰れそうというイメージもあるかもしれませんね。
未経験での事務職転職は難しい!
そんな人気の事務職ですから、当然応募者が殺到します。
中途採用の事務職求人の場合、「事務職経験者」が採用条件になることも。
事務職は電話対応やお客様対応をすることも多く、社会人としての常識が必要とされます。
またパソコンの使い方や、書類の書き方など業務は多岐にわたります。
中途採用を考えている企業では未経験者にいちいちこれらの基本的なことを教える余裕はありません。
このため未経験で事務職に転職するのはとても厳しいのです。
さらに顧客の窓口となる事務職は会社の顔という役割もあり、比較的若くてきれいな子が好まれるという傾向も。
それなりの年になっている転職組にはより不利な環境といえます。
事務職の種類を知って対策を練ろう
未経験で事務職への転職を希望する場合、まず、事務職に必要とされていることは何なのかを知らなくてはいけません。
実は一口に事務職と言っても様々な「事務」があるのです。
事務職の種類を知って、自分が目指すべきはどんな事務職なのかをはっきりさせるのが大切です。
そこから必要とされているスキルや資格、生かせる前職の経験などを考えていきましょう。
事務職の種類1 一般事務
契約書等各種資料作成、ファイリング、電話やメールの応対、備品の管理、郵便物の仕分け…などなど社内のあらゆる事務作業をこなすのが一般事務です。
業務内容が幅広いため一口に一般事務と言っても会社によってカバーする仕事の範囲はまちまち。
経理事務や庶務的役割を担うこともあります。特別な専門性が必要とされるわけではありませんが、パソコンスキルは必須といえるでしょう。
また社員が仕事をしやすいようサポートしていく仕事ですから、社員とコミュニケーションを取り合い、人間関係を良好に保つ努力が必要です。
未経験でも挑戦しやすい分、たくさんの人が応募してくることが予想される一般事務。
MOS資格や簿記、TOEICなど業務を拡大できるスキルをアピールするとよいでしょう。
お給料は低めですが、残業も少ない事務職です。
事務職の種類2 経理事務
こちらも人気のある事務職。
日々入出金管理や伝票仕分けの仕事が発生するほか、予算編成や金融資金の調達に係わる場合もあります。
そして決算期には会社の経営状態を見るうえで欠かせない貸借対照表や損益計算書を作成するという作業が待っています。
これら財務諸表の数字によって会社の評価が変わってくるため、銀行や株主、合併先などあらゆるところに影響を与える重要な仕事と言えるでしょう。
また税金を確定させるという意味でも正確な経理は必須。
日常的にいい加減な仕分けをしていると、追加徴税や脱税疑惑が発生し会社に大きな不利益をもたらします。
責任が重い分、専門性も高く経理経験は重要な武器となります。
お給料もよいのでキャリアアップしたい人に向いているといえるでしょう。
簿記の知識が応募条件になることが多く、仕事をするうえでも必要不可欠。経理事務志望なら簿記資格は取得しておきましょう。
事務職の種類3 営業事務
営業担当者のサポートをするのが営業事務の役割。
顧客からの問い合わせに答えたり、商品の請求書を作成したり、在庫を管理するのがお仕事です。
時には営業担当者が上手に自社製品をアピールできるよう、プレゼンテーション資料作成を任されることもあります。
そのため、Excel・WordのみならずPower Pointも使いこなせると高い戦力になることができるでしょう。
顧客に直接・間接的に対応する場面が多くみられるので、自社製品に対する深い理解も必要とされます。
一般事務に比べ、専門性が高い事務職。営業担当者とのチームワークが重要なので、コミュニケーション能力が高く、価値のある仕事がしたいというタイプの人に向いています。
事務職の種類4 人事労務事務
従業員に係わる事務仕事を担当するのが人事労務事務。
入社や退社に係わる手続き、給与の計算、年末調整、各種保険手続きなど従業員の生活を支える役割を幅広く担当します。そのため、各種保険に関する知識があれば戦力となれるでしょう。
採用業務の場合、書類選考、面接などで応募者を選定するので短期間で人を見る力が試されます。
従業員と幅広くかかわり、仕事へのモチベーションを上げることに貢献するのが人事労務事務の仕事です。
沢山の人に係わるので、コミュニケーション力はもちろん、偏った見方をしないバランス感覚に優れた人が向いているといえます。
事務職の種類5 介護事務・医療事務
介護現場・病院など、特定の場所で働く事務職もあります。
ともに病院や介護施設の受付を担当し、患者さんや利用者と直接かかわることも多いお仕事。
専門的な質問をされることもあるため、医療・福祉に関する知識と専門家である介護福祉士・ケアマネージャーや医師・看護師と連携をとる力が必要です。
またともに診療報酬・介護報酬を請求するためのレセプト作成が業務となるため、経理スキルやPCスキルが求められます。
介護事務、医療事務ともに関連資格試験を様々な団体が実施していますが、就職のために必ず資格が必要とされるわけでも、重視されるわけでもないようです。
ただし全くの未経験から福祉・医療現場にかかわろうとするなら資格の勉強の中で業界に関する知識を深めておくのは大切でしょう。
医療・介護現場ともに国家資格者が活躍する中、無資格や民間資格のみで働く介護事務・医療事務はどうしても下に見られがちですが、現場を支える存在としてひたむきに頑張れる人に向いています。
本当に転職先は事務職でいいのか、考えてみよう
事務職にはいろいろな種類があります。事務職の種類によっては残業が多いこともありますし、非常に重い責任を負わなければならないものもあります。
一方で特にスキルを必要としない簡単な事務職の場合、お給料は比較的安くなることは覚悟しなければなりません。
また、簡単な仕事ということはやり続けても何のスキルも身につかないということ。会社を辞めたときや会社が倒産したとき、「簡単な事務しかしたことがありません」というのでは転職先に困ってしまいます。
簡単にすぐ替えが効くポジションともいえますから、リストラ候補にもなりやすいですね。
楽そう、私にもできそうというイメージだけでなく、事務職の具体像を知り、将来のことも考えて本当に事務職に転職したいのかを考えることが大切です。