産休・育休から復帰した後でも、子どもはまだまだ小さく、手間がかかるもの。職場復帰後に仕事と子育てを両立できるのか、不安な人は時短勤務という働き方を検討してみてください。

時短勤務ってどんな制度?

法律上では産休(産前産後休業)は出産予定日の6週間前から出産の8週間後まで、育休(育児休業)は最長でも子供が2歳になるまでしかとることはできません(平成29年10月現在)
(ただしこれは法律上の最低ライン。育休をもっと長くとることができる待遇の良い企業もあります)。

あまり長く仕事を休むことができない職場では早めに育休を切り上げざるを得ない人いるでしょう。
もちろん2歳以降も子どもの世話には手がかかるものですから、できるだけ子育てを優先したいと考える女性の中には正社員の立場を捨てるべきか悩む人もいるのではないでしょうか。

そんな人にお勧めしたいのが「短時間勤務制度」、略して時短勤務をうまく使う方法です。

時短勤務は「改正育児・介護休業法」によって定められた働き方です。
これは出産後から子どもが3歳になるまでの間は原則1日6時間以下の勤務時間で働くことができるというもの。

時短勤務が難しい業務の場合は代わりにフレックス制の導入、始業時間や就業時間の調整、育児休業に準ずる措置、事業所内保育所の設置などを行う義務が事業者に課せられています。

時短勤務の対象者はどんな人?

「改正育児・介護休業法」によって定められている時短勤務の対象者は3歳未満の子供を育てている従業員です。

雇用形態についての区別はないので、「時短勤務は正社員の特権」という認識は実は大きな間違い。
1日の労働時間が6時間以上あればパートタイマーの人でも時短勤務の対象者になることができます。

では短い間に職場を転々とする派遣社員はどうでしょう。
派遣社員の場合、派遣先が変わっても派遣元である派遣会社に1年以上所属していれば時短勤務の対象者となることができます。

ただし日雇い労働者の場合は時短勤務制度の対象外です。
(また週2日以下しか働いていない人、入社後1年が経過していない人、事務所の従業員の数が少ないなどどうしても時短勤務を許可されないような業務に従事している人の場合は労使協定によって時短勤務の対象外とされることがあります。入社時にどのような労使協定を結んだのか確認しておくことが重要です)。

さらに母親の権利と考えられている時短勤務ですが、実は対象者には性別による区別もありません。
そのため時短勤務を申請する権利はお父さんにもちゃんとあるのです。
時短勤務をすることが認められている労働者の範囲はかなり広いんですね。

時短勤務の際の仕事内容は?

「改正育児・介護休業法」によって決まっているのはあくまで勤務時間の短縮であり、時短勤務の際の仕事内容は法律で規定されているわけではありません。

そのため時短勤務をしているときの仕事内容は企業によってまちまちです。
短い時間しか勤務できないということで比較的軽い仕事を割り振られることもありますが、女性が活躍する社会が目標となっている現在では短時間勤務でもフルタイム勤務並みの仕事やノルマを課せられることも増えてきました。

やりがいのある仕事を任されれば、時短勤務だからといってキャリアが途切れる心配をしなくてよい一方で、就業時間内に仕事が終わらないのではないかという不安もでてきます。
ただしたとえ重い仕事を任されても、時短勤務に理解のある会社なら同僚や上司からのフォローがしっかりしているはず。就業先での時短勤務の実態をきちんと把握しておくと安心ですね。

また時短勤務だからこそ、職場にいる間に仕事にメリハリをつけ、優先順位の高い仕事から片付けていく習慣をつけたいもの。
短い時間に結果を出せば時短勤務だとしても周りの人からの目線も好意的になります。仕事を効率化する癖がつけばフルタイムに戻った時も役に立ちますよ。

時短勤務をしている間のお給料は?

時短勤務をしている間のお給料は残念ながらフルタイム勤務時と比べて少なくなってしまうことがほとんど。

「改正育児・介護休業法」では給料に対する規制がないため、時短勤務者の賃金をどうするかは企業の判断にゆだねられます。
一般的な企業ではフルタイムで働いている従業員と短時間勤務の従業員に同じ金額の給料を払うことはできないと考えています。
そのため時短勤務をするときにはお給料はフルタイム時の2割~4割がカットされてしまうことを覚悟しなければなりません。

しかしお給料が少なくなればその分納める所得税や税金も少なくなります。
夫婦で時短勤務をすると、かなりの額の節税になります。

では年金はどうなるのでしょうか。

将来もらえる年金の額は現在働いているお給料から天引きされている年金の金額によって変わります。
しかしお給料が減れば、納める年金の額も減ります。
これにともなって将来もらえる年金の金額も減ってしまうのでは悲しいですね。

しかし「改正育児・介護休業法」による時短勤務によってお給料が減り、その結果的年金の納入額が減っても、給料が減る前とおなじ納入額を収めているものとみなすとする特別措置が存在します。
将来受け取る年金の金額は時短勤務をしても変わらないのですね。

この特別措置を受けるためには会社を通じて年金事務所に申請する必要があります。
会社に時短勤務を申し出るとき、忘れず申請を頼んでおきましょう。

時短勤務をするメリットとは?

時短勤務をする最大のメリットは子どもと過ごす時間を余裕をもってとることができる点でしょう。

子どもは2歳になるとたくさんしゃべるようになり、自我を主張しだします。
親からの働きかけに対する反応もバラエティ豊かになり、親子ともに一緒にいてとても楽しい時期です。

また病院や公共施設に立ち寄りやすいというメリットもあります。
フルタイムで働いているとこれら施設が開いている時間に帰宅して、子どもを連れていくのは困難です。

一方で時短勤務を利用すると、子どもが保育園から帰るタイミングと退社時間をばっちりあわせることもできますから、そのまま病院に立ち寄るのも楽ちんです。

他にも子育てと仕事でいっぱいいっぱいの気持に余裕を持たせる効果もあります。
さらに時短勤務をすることによって今までの仕事の仕方を見直し、だらだら仕事する癖を直せた、短時間で成果を出すことができるようになったという人もいます。

時短勤務を利用している人ってどのぐらいいるの?

便利な時短勤務ですが、実際利用している人はどのぐらいいるのでしょうか。
厚生労働省「平成27年度雇用均等基本調査」では、女性の時短勤務利用者は29.2%。育休の取得者が80%を超えているのに対して利用者は少ない状況です。

男性に限ると0.5%とまだまだ広く認知されていないのが現状。
時短勤務を利用する場合、職場から切り離された自宅で休める育休と違い、ほかの人がまだ仕事をしているのを分かっていながら帰らなければなりません。
これに後ろめたさを感じる人も多いようです。時短勤務を気持ちよく受け入れてくれる職場が今後増えていくとよいですね。